製造業や建設業において、重機はなくてはならないものです。それなしでは仕事ができないと言っても過言ではありません。しかし、重機と人との接触事故は毎年発生しており、見過ごせないのも事実です。本記事では事故対策がなぜ難しいのか、そして有効な手段はあるのかについて解説します。
本記事では、ネットワークカメラとデータを融合した遠隔管理システムが事故対応にいかに有効であるかを解説します。
工場や工事現場では数多くの重機が使われています。そういった場所で働いていたり、出入りしたりしている方は、間近で見たことがあるでしょう。
この場合の重機とは、クレーン車やブルドーザ、荷物を運ぶフォークリフトなどのことです。これらの重機を思い浮かべてみると、普通の自動車とは違い特殊な格好をしており、取り付けられている装置が複雑な動きをします。たとえば油圧ショベルなら、アームやバケットを駆使して前後左右に移動します。
また、運転席はひと一人がやっと入れるような大きさであり、場所も高いところにあったり、横にずれていたりする構造です。そのような構造のため、運転席から死角になる部分が大きいのです。
さらに重機は、人ができないような重いものを持ち上げたり、運んだり、土砂を掘ったりするため、非常に大きなパワーがあります。もしも重機やアームなどの作業装置が人間に当たったら、重大な事故につながりかねません。
そのような事故が起こらないように、現場では重機と人の作業エリアを分離しています。見張りもつけて、重機と人が接近しないように十分に気を付けてはいます。それでも毎年、重機と人との接触事故は起きているのが現状です。
では、重機と人との接触事故をなくす(減らす)にはどうしたら良いのでしょうか。事故が発生しやすい原因の一つに、先述したように重機の運転室からは死角が大きいことが挙げられます。
この場合、見張りをたくさんつけて人が近づかないようにするのも手です。しかし、わざわざ人を雇うコストがかかるほか、対策として完璧ではありません。
重機の可動範囲に人が侵入して、とっさに見張りが合図したとします。重機の運転者が気づいても、装置を完全に停止させるまでに数秒かかってしまいます。
その間に接触する可能性が高いのです。やはり運転手自らが危険を察知して重機を操作しなければ、素早い回避反応は期待できません。
運転手に直接周囲の状況を知らせる手段として、センサを活用するのはどうでしょうか。最近の自動車には、電波や音波を使った近接物検知センサが多く取り付けられています。近接物検知センサは、物体が近づいたことを検知してアラームなどで知らせます。これなら運転手は周囲に何かあったらすぐに検知して重機を停めることができるかもしれません。
しかし重機はその業務上、さまざまな場所で活躍します。周りには土の山やスクラップ、柵などの障害物がたくさんあります。そのため、これらにセンサが反応してしまいアラームは鳴りっぱなしです。結果として信用できずにセンサを切ったり、無視したりしてしまいます。人や近接物センサだけで重機との接触事故を防ぐのは、なかなか難しいのです。
実は対物センサと違い、生体反応を検知するセンサがあります。正しくは生体反応を検知するセンサではありませんが、要は人だけを検知すれば良いのです。それがAIカメラです。
通常の対物センサは、対象物に電波や音波などを照射してその反射波を検知。反射してくるまでの時間を計測して距離に直し、ある一定の範囲に「もの」があったらアラームを出します。
それに対して『レグラス・イーグルアイⅡ』というカメラは、周囲を撮影してその中にいる人をAIで判別します。一つのカメラだけだと距離がわかりにくいので、カメラを2台組み合わせて三角法で距離を測定するのです(人間の眼と同じですね)。
AIは学習済みで新たに学習させる必要はありません。さらにアラームを出す距離も設定可能です。
磁石付きのマウントで重機にすぐに設置可能であり、電源は直流12V・24V対応で重機から簡単にとることができます。
当社では騒音環境下に対応した高音量タイプのアラームを装備したLED信号装置も合わせてご提供できます(360°の視野を持ったタイプもお取り扱いしています)。
AIカメラを重機に取り付けることにより、人だけを検知してアラームで運転手に知らせてくれます。これにより、接触事故を起こす前に重機を停止させることができるのです。
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