工場監視カメラの選び方は?設置場所や映像伝送の方法に合わせた機器選定

操業監視や防犯目的などで、動画カメラを会社や工場に導入するケースが増えています。しかし、カメラと言っても多くのメーカー・機種があり、どれを選んだらよいか迷うのではないでしょうか。

本記事では、動画カメラを導入する際に機器選定のポイントとなる、以下の項目について詳しく解説します。

  • 設置場所
  • 映像伝送方式
  • ネットワーク接続方法
  • カメラの形状
  • 機能
  • 撮影画素数
  • フレームレート
  • 伝送速度・圧縮方式
  • ONVIF規格の対応有無

また工場監視カメラの目的や使われ方、ネットワークカメラ監視の利点についてもご説明しています。ぜひ監視カメラ選びの参考にしてください。

なお本記事は、特定の通信方式に偏らない、一般的な監視カメラ(ネットワークカメラ)の選び方を網羅的に解説するものです。LTE回線などを用いるクラウド型カメラに絞った選定のポイントについては、クラウドカメラ導入のメリットデメリット|選び方のポイントもあわせてご覧ください。

 

目次
•    監視カメラの設置場所で選ぶ-「屋内」か「屋外」か
•    映像伝送の方法で選ぶ-「アナログ」か「デジタル」か
•    ネットワーク接続方法で選ぶ-「無線」か「有線」か
•    カメラの形状-ドーム型か?バレット型か?360度カメラか?
•    カメラの機能で選ぶ-「首振り」「PTZ機能」の有無
•    撮影画素数で選ぶ-「4K」「FHD」「HD」
•    フレームレートで選ぶ-「30fps」か「60fps」か
•    伝送速度・圧縮方式で選ぶ-「H.264」か「H.265」か
•    対応規格で選ぶ-「ONVIF規格」に対応しているか
•    工場監視カメラの目的・役割は?
•    ネットワーク監視カメラの利便性
•    まとめ

 

監視カメラの設置場所で選ぶ-「屋内」か「屋外」か

機器選定をするうえでカメラを設置する場所は重要です。なぜなら、屋内に設置するか屋外に設置するか、あるいは環境などによって適したカメラ仕様が変わってしまうからです。

事務所や店舗では屋内仕様で問題なく使用できます。しかし、塵や粉塵などが多い環境の場合は、屋内でも屋外仕様のカメラを選択した方がよいでしょう。屋外設置の場合は、IP66以上が適しています。

映像伝送の方法で選ぶ-「アナログ」か「デジタル」か

アナログ方式は、アナログカメラで撮影した映像をアナログ信号のまま同軸ケーブルなどで伝送する方式です。一方のデジタル方式は、ネットワークカメラなどで撮影し、デジタル化された映像をネットワーク回線で伝送する方式です。

アナログ方式とデジタル方式にはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、映像データの保存や2次利用、映像加工、映像システムとの連携を考えた場合、デジタル方式(ネットワークカメラ)の採用を考えた方がよいでしょう。

※以降はネットワークカメラを中心に解説します。

ネットワーク接続方法で選ぶ-「無線」か「有線」か

ネットワーク接続方法には無線接続と有線接続があります。まず無線接続は名前の通りカメラ本体から無線で親機まで接続するタイプです。配線は電源ケーブルのみになりカメラ本体でIPアドレスの設定を行い通信します。(図1、無線接続参照)

図1.無線接続

次に有線接続ですが2種類あり、1つ目がネットワークに接続するLANケーブルと電源ケーブルの計2本のケーブルが必要なタイプです。このタイプは「電源は電源ケーブル」「通信はLANケーブル」と分かれているため見た目上わかりやすいですが、近くに電源がないと設置が困難となる場合があります。(図2、有線接続①参照)

図2.有線接続①

2つ目が「POE」というタイプでカメラ電源とネット接続をLANケーブル1本だけで行うものです。(※POE=Power Over Ethernetの略語)

LANケーブルで電源供給も行うので、電源が近くになくても設置できケーブル接続も1本で済むため、見た目上すっきりとまとめ易いでしょう。(図3、有線接続②参照)

図3.有線接続②

カメラの形状-ドーム型か?バレット型か?360度カメラか?

カメラ形状にも種類があり、中には一台で360度見ることができるカメラもあります。ここでは、「ドーム型」「バレット型」「360度カメラ」「小型(置くだけ)」についてそれぞれどのような特徴があるかを紹介します。

「ドーム型」に最適な状況

丸いドーム型の形状で小型化されたものが多く、設置しても比較的目立ちません。したがって、オフィスや応接室など周囲の雰囲気を壊したくない場合に適しています。

「バレット型」に最適な状況

ボックス型カメラとも言います。設置用のブラケットと一体化した「ハウジング」と呼ばれる保護ケースに収容されており、屋外環境でも使用可能なものが主流です。出入り口や駐車場など、あえて目立つように設置する事で抑止効果も期待できます。

「360度カメラ」に最適な状況

撮影対象の上部に設置し、全体を360度撮影することができるカメラです。撮影した映像を録画ソフトで補正することで、360度の映像を見ることができます。死角をなるべくなくしたい、広く監視したいという目的がある場合に候補になるでしょう。

ただ、「映像補正にハイスペックのパソコンが必要」「映像の容量が大きい」など、周辺機器やネットワーク回線の増強工事等で、カメラを複数台設置するよりトータルとして導入費が高額になる可能性があります。

「小型(置くだけ)」に最適な状況

工事が不要なので入荷後すぐに使用でき、狭い場所でも使用できます。

カメラの機能で選ぶ-「首振り」「PTZ機能」の有無

カメラに首振り、PTZ (パン、チルト、ズーム)機能が備わっているものがあります。これらの機能は、一台のカメラで見たい方向にカメラの照準を合わせることができる便利なものです。しかし、撮影位置や対象を変えるので、録画映像に死角ができます。

また、カメラ本体としては壊れづらいのですが、PTZ機能による機械的駆動部があるため、駆動系の不具合や故障などが発生する確率が高くなります。一般的に単視点カメラよりPTZカメラは高額になるため、PTZ機能が必要なければ無理に選定する必要はないでしょう。

撮影画素数で選ぶ-「4K」「FHD」「HD」

カメラの撮影画素数がカタログに記載されているかと思います。カタログ記載の画素数は、カメラの最大画素数を記載しており、たいていのカメラは最大画素数以下の画素数を選択できます。したがって、4KカメラをFHDで使用することは可能です。

一般的には、200万画素のネットワークカメラがよく使用されています。理由としては、機種のラインナップが豊富なことに加えて、映像監視で使ううえでよく用いられる32インチ程度のモニターで綺麗に映るためです。

4Kカメラの場合、非常に高精細な映像を撮影できます。しかし、1台当たり30~50Mbpsとかなりの通信量が発生し、ネットワークインフラ増強、録画用ストレージの増大などカメラと合わせて、導入費用が高額になるといったデメリットがあります。

フレームレートで選ぶ-「30fps」か「60fps」か

フレームレートとはネットワークカメラが1秒間に出力できる画像枚数のことを表しています。単位は fps(frame per second)を使用します。フレームレートの数値が大きくなると、映像はより動画に近い滑らかな映像になります。

一般的なテレビが30fpsですので一つの目安になるかと思います。テレビと同じような映像で問題なければ30fps、さらに変化が速い映像(瞬間的な圧力変動など)を録画する際は、60fpsという選択肢もあります。

伝送速度・圧縮方式で選ぶ-「H.264」か「H.265」か

伝送速度はネットワークカメラが1秒間に出力するデータ量を表す数値で単位はbpsを使います。

上記で述べた「解像度」や「フレームレート」が大きくなるとネットワークにかかる負荷は大きくなっていきますが、データ伝送時に圧縮・縮小しています。

圧縮方式にも種類がありますが、概ね「H.264」もしくは「H.265」だと思われます。

H.264は1Mbpsの速度で480P(解像度720×480)のSDの音声・動画を転送できるのに対し、H.265は1~2Mbpsの速度で720P(解像度1280×720)のHDの音声・動画のネットワーク転送を行うことができます。つまり、H.265は同じネットワーク環境で、より高品質な動画をより高速に転送することができます。

対応規格で選ぶ-「ONVIF規格」に対応しているか

ネットワークカメラの規格でONVIF(Open Network Video Interface Forum)への対応有無を確認する必要があります。現在販売されているカメラは、ほぼ対応していますが、インターフェースに互換性をもたせるため、ONVIF対応はマストと考えた方がよいでしょう。

工場監視カメラの目的・役割は?

工場への監視カメラの導入について、従来はセキュリティの強化を目的とするケースがほとんどでした。現在は監視カメラの進化にともない、工場の作業効率向上や品質管理など、工場DX化の一環としても広く活躍しています。

防犯

工場監視カメラの目的として一般的なものは、「防犯・セキュリティの強化」でしょう。昨今の監視カメラの役割はリアルタイムでの監視や録画記録ばかりではありません。入退室管理システムとの連携で作業員の出入りを記録したり、外部からの侵入に備えたりと、問題の予防にも活用されています。

作業監視

製造現場を監視カメラで記録し、作業効率向上化につなげる取り組みを行う企業も増えています。現場では慢性化し、見落とされがちな作業の無駄を可視化することは、マネジメントの効率UPにもつながるでしょう。また、工場内でのミスや事故などの前後が記録されることで、再発防止にも役立ちます。

機械監視

昨今、多くの企業で製造ラインに監視カメラを導入し、品質管理のクオリティを向上させる取り組みがはじまっています。不良品の選別ミスや不良発生の原因追求などが容易になるため、品質安定化につながります。

ネットワーク監視カメラの利便性

アナログカメラの仕組みとしては、電源コード、映像データ・音声データ・PTZ(パン・チルト・ズーム)などをコントロールするための信号を送るケーブルがそれぞれに必要なため、その分、配線は複雑になるのが一般的です。

ネットワークカメラでは、1本のLANケーブルがあれば、映像や音声・PTZ制御が可能となります。これらの機能は「PoE(Power over Ethernet)=LANケーブルで電力供給する技術」の活用により、1本のLANケーブルで完結可能です。そのため配線が簡素になり、設置場所の選択肢が広がりました。

また、離れた場所に点在する拠点の監視が、1台のパソコン上で行えることや、映像の保存がクラウド上で行えるため、ビデオテープやSDなどの記録媒体を交換する手間がないのもネットワーク監視カメラの大きな魅力です。

まとめ

工場監視カメラ選びのポイントは「基本スペック」「設置方法」「現場の状況」の考慮

今回は、カメラを選定するうえでのポイントをあげました。基本性能としては記載した内容をもとに選定すればよいでしょう。

しかし、場所や設置スペースなどにより、細かな確認が必要となるため、基本スペックのほか、設置方法や現場の状況を考慮しながらカメラ選定を進めることをおすすめします。

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