【階段昇降の安全AIシステム導入事例】「手すりを持つ文化」をAIで取り戻す——レゾナック川崎事業所様の安全改革
日本有数の京浜工業地帯・川崎臨海部に位置し、約200種類の化学製品を製造・販売するレゾナック川崎事業所様。1世紀にわたって社会の基盤を支えてきた老舗工場が、「事故災害ゼロ」という目標に向けて、階段昇降の安全AIシステムを導入されました。今回は、導入の背景から効果、今後の展望まで、ご担当者様のインタビューを通じてお届けします。

目次
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1. 導入の背景——「手すりを持てる仕組み」を作りたかった
**Jエレ**
まず、今回の導入の背景を教えてください。
**下出さま**
化学工場というのは危険の中に安全を確保してものづくりをしている工場なんです。
私は2年前に川崎事業所に戻ってきたんですけども、「事故災害をゼロにする」という思いを現実とするためには、まずは手すりを持てるような仕組みにしたい、という風に考えました。
**Jエレ**
手すりの保持が特に課題だったのですね。
**下出さま、加藤さま**
そうなんです。我々がこれまで思っていたことは、コロナ禍になった時に皆さん手すりを持つことをやめてしまったということがありまして。それまではまだ持ってくれていたんですけれども、コロナ禍で持たなくなって、その「持たなくなった状況を以前に戻す」というのが非常に難しいな、という風に思っていました。
2. 自社開発ではなく外部システムを選んだ理由
**Jエレ**
自社での開発は検討されましたか?
**下出さま**
元々私のいた部署は画像処理でものづくりをしている、工夫をする部署でしたので、元部署に確認をしたんですけど、「時間とお金がかかるかな」という課題が見えてきました。
そこで議論している中で、御社の階段昇降の安全AIシステムがあるというのを担当者が見つけまして、ヒアリングをさせていただいて、「シンプルですごく良いシステムだな」というのを感じました。
そこでデモンストレーションをして、導入を前提に試したところ、うまく使えそうだということで、このシステムを入れることにしました。
3. 導入の決め手——シンプルさと骨格検知技術
**Jエレ**
導入を決めた具体的なポイントはどこでしたか?
**下出さま**
我々の部署でこのシステムを作ろうと最初思ったんですけども、「どういう画像であって、どういう状態だと手すりを持っていないか」「走って昇降をどう判定するか」、そこを決めるところが難しいなというのが打ち合わせの中で出てきました。
ヒアリングをすると、「骨格の動きを捉えてそれで検知するんだ」という具体的な話が出てきていて、「かなりシステム的によく考えられているな」という風に感じました。そういうのもあって、早く良いシステムが導入できたのかなというのが大きなところかなと思っています。
デモンストレーションを聞きながら本社の取り組み説明を聞くと、いろんなソリューションを持っていますので、その辺りも興味深く聞かせてもらいましたし、導入するにあたってもかなり迅速に対応をいただいたので、思ったスケジュールで導入まで進めることができたかなと感じています。
4. 導入後の変化——「手すりを持つようになった」
**Jエレ**
実際に導入してみて、どのような変化がありましたか?
**加藤さま**
今回導入して感じましたことは、「持っていなかった人が、手すりを持つようになった」ということです。周りからも「手すりを持ってるね」というような声を聞くことができました。
今回のAIシステムを導入したことで、ただ単に人を検知したら注意喚起するだけじゃなくて、「手すりを持っている・持っていない」というところを検知して、持っていない人に注意を促すというところでしたので、非常によく感じております。
5. 現場スタッフの反応
**Jエレ**
現場の方々の反応はいかがでしたか?「監視されている」という声はありませんでしたか?
**下出さま**
あまり「監視されている」というような意見は出てきていないですね。多分本人たちも、持っていないことは悪いんだって思っているんだろうと。
だからそこで画像で音声が出ても、人によっては「あ、しまった。ちょっと気をつけなきゃ」って思う人が結構多いのかな、と。意識的に持っていない人も「なんでこんな見られるんだ」って思っているんじゃなくて、やはり「持っていないのは理解はしているんだけど、ちょっと不安全なことをやってしまっている」というところも認識しているのではないかな、と思います。
6. 今後の展開——川崎3拠点・他事業所への横展開へ
**Jエレ**
今後の展望をお聞かせください。
**加藤さま**
すでに私の方にも何件か、他の事業所の担当者さんから問い合わせが来ております。川崎事業所としては拠点が3箇所あります。今回導入したのはまだ1箇所だけですので、今回の導入の状況を確認しながら、まだ入れていない2拠点にも導入したいという風に考えていますし、他の事業所にも積極的にアピールをしていきたいという風に思っております。
まとめ:「監視」ではなく「気づき」を促すAI
レゾナック川崎事業所様の取り組みは、「コロナ禍で失われた手すりを持つ文化をAIで取り戻す」という、シンプルかつ本質的な課題解決の好例です。
骨格検知技術による高精度な不安全行動の検知と、その場での即時音声警告という仕組みが、「監視」ではなく「気づきを促す」ツールとして現場に自然に受け入れられています。
今後は川崎事業所様の残り2拠点、さらには他事業所への横展開も視野に入れており、安全文化の醸成に向けた取り組みがさらに広がることが期待されます。

