生産現場の「映像によるDX化」を推進しませんか?
概要
経済産業省から「DX推進ガイドライン(※1)」が提示され、DX(Degital Transformation)の実現は国をあげて達成すべきテーマとなっています。DXとは、従来からの企業活動にデジタル技術を活用すること。企業活動を継続させるためにはDXを推進し、業務改革をして品質や生産性の向上につなげることが必須です。
DXを推進していく上で、取り組みやすい手段のひとつにデジタル映像があります。ここでは日本の製造業における現状を改めて確認しながら、デジタル映像を活用したDXの可能性や導入のメリットなどについて解説します。
※1:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
目次
- 概要
- DX導入で実現する「あるべき姿」とは?
・生産性の向上
・事業継続の円滑化
・安全衛生の向上 - 生産現場の現状は?
・デジタル化の遅れ
・熟練工、ベテラン従業員まかせ - 現状の課題を解決し、あるべき姿を実現する「デジタル映像」
- デジタル映像導入のメリットとは?
・ユーザビリティ
・スケーラビリティ
・ロケーション&タイムフリー - まとめ
DX導入で実現する「あるべき姿」とは?
企業活動の「あるべき姿」は、DXの導入により実現することができます。例えば、以下の項目において、DXは大きな力を発揮します。
生産性の向上
まずシンプルに、定型業務をデジタル化すれば作業時間が減り、効率化されます。また、人的ミスの削減や品質の標準化も期待できるので、製品の歩留まり率も改善します。
また、IoTやAIなどの技術を活用すると、研究開発、製品設計、工程設計、生産、設備保全など、あらゆる製造工程で生産性を高めることが可能となります。
事業継続の円滑化
日本の製造業の競争優位性は、高い技術力に裏付けされてきましたが、近年はこの技術を次世代に継承することが難しく、事業を継続するにあたっての大きな課題となっています。しかし、業務プロセスをデジタル化すると、経験や感覚といった伝えにくいノウハウが可視化されます。資産として社内に蓄積できれば、次世代への技術継承がスムーズになり、安定した事業継続が可能になります。
また、社内に蓄積されたこれらの大事な知的財産や個人情報を守ったり、設備や原材料の盗難などを防ぐセキュリティ面、防災面においても、DX化は有効です。生産現場をデジタル映像として可視化することで、万一の事態にも対処することができます。
安全衛生の向上
デジタル映像や画像認識の技術を使えば、現場作業における危険な状態や不安全行動を検知して警告を出すことができるので、従業員の安全性の向上につながります。
また、感染症対策などで一定のソーシャルディスタンスを義務付けた場合、指定人数や距離を超えたときにアラートを表示したり、温室効果ガス削減のための活動を監視したり、さまざまな安全面や環境面の管理に役立てることができます。
生産現場の現状は?
DX化により企業活動の「あるべき姿」が実現できますが、現状の生産現場は従来の慣習から抜け出せず課題が山積みになっています。大きな課題としては、以下の2点があげられます。
デジタル化の遅れ
総務省の「平成30年版情報通信白書」(※2)によると、各国企業のICT(情報通信技術)の導入状況はドイツとイギリスは90%を超え、アメリカも80%以上の企業が導入済みです。一方、日本は70.2%にとどまっています。ICT導入のための環境整備についても、「実施している」と回答した日本企業は47.2%と、半数以下。いまだマニュアルやチェックシート、伝票類などを紙媒体で処理している企業が多い現状です。
デジタル化の遅れにより、生産性などの面でグローバル企業との国際競争力が低下しています。
※2:総務省「平成30年版情報通信白書 企業のICT導入状況」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n3200000.pdf)
熟練工、ベテラン従業員まかせ
現在の日本の製造業の技術力を支えてきた技術者の高齢化が進んでいるのにも関わらず、製造現場は相変わらず熟練工、ベテラン従業員まかせが現状です。さらに、製造業に従事する若年層も年々少なくなっています。
ベテランという頼りになる「人手」によって製品のサービスレベルを維持している現状ですが、その「人手」が枯渇する未来が見えています。
現状の課題を解決し、あるべき姿を実現する「デジタル映像」
企業の「あるべき姿」と現状のギャップを埋めるためには、DXへの取り組みが必須です。DXは幅広い概念でさまざまなアプローチがありますが、取り組みやすい手段のひとつとして「デジタル映像」が注目を集めています。
映像はテキストや静止画像に比べて伝えられる情報量が圧倒的に多く、今まで見えなかった課題が可視化されます。製造の全行程を常時デジタル映像で記録することで、「生産性向上」「事業継承(技術継承)」「安全衛生向上」など、あるべき姿を実現できます。
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デジタル映像導入のメリットとは?
デジタル映像ならではのメリットは数多くありますが、ここでは3つのポイントに大きく分類して解説します。
1. ユーザビリティ
デジタル映像は「使う人が利用しやすい」という「使いやすさ(ユーザビリティ)」があります。目的に合わせて加工したり、他のデータと組み合わせて活用したり、アナログ映像に比べて無限の可能性があります。
2. スケーラビリティ
DXと聞くと大規模なシステム導入や変革が必要なイメージがありますが、デジタル映像は導入が非常に容易です。1ヶ所からでもOKで、そこからニーズに合わせて徐々に増やしていくことができる「拡張性(スケーラビリティ)」があります。
DXが必要なことはわかっているものの、いきなり多額のコストはかけられない、という場合でも、デジタル映像ならごく小さな規模でスタートすることができます。また、拡張する際も、改めてシステムを作り直すようなコストが必要になるわけではなく、ニーズと費用に合わせて徐々に進めることができます。
3. ロケーション&タイムフリー
デジタル映像を確認したり、利用する際は、場所と時間を問いません。「いつでもどこでも(ロケーション&タイムフリー)」デジタル映像に触れることができます。
そのため、タイムロスがありません。例えば、製造現場で危険を察知するアラートが発せられた場合、どこにいても迅速に確認し、対処を判断することができます。
まとめ
生産現場のDX化にはデジタル映像の活用が効果的です。映像を用いることで、生産性向上、技術継承、安全衛生の向上が期待できます。特に、デジタル映像は情報量が多く、現場の課題を可視化し、効率的な業務改革を支援します。また、導入が容易でスケーラブルなため、段階的な拡張が可能です。
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